東北大学艮陵同窓会
会長 石井 直人
艮陵同窓会員の皆様には日頃より本会ならびに母校の発展のためにご尽力いただき、厚く御礼を申し上げます。
本同窓会では宮城県医学所が開設された1872年(明治5年)5月を母校創立年と定めており、今年で153周年を迎えました。本来であれば150周年である2022年に記念行事をとり行う予定でしたが、コロナ禍のためにその準備ができず、昨年ようやく「艮陵同窓会150年史の作成」「150周年記念庭園の開設」「150周年記念祝賀会」を行うことができました。関係の先生方をはじめとして同窓会の発展のためにご尽力いただいた多くの方々に深く感謝申し上げます。
昨年発行した艮陵同窓会150周年史は、120年史を引き継ぐ形で主に平成の30年間の医学部の出来事をまとめた内容となっています。特に、大学院重点化に伴って実施された講座制(教室)から分野制への移行は大きな制度変更でした。平成元年に37の教室で構成されていた医学部が、保健学科の創設もあり、令和6年には93の分野で構成される医学系研究科になっております。その間、一部の教室が廃止され新たな分野が新設されるなど様々な変化がありました。本史では、それぞれの教室がどのように変遷し現在の分野となったかなど詳細に記述しておりますので、艮陵同窓会のホームページでご覧いただければと存じます。
2024年11月に東北大学が「国際卓越研究大学」の第1号として認定されました。東大や京大に先んじて我々の母校が選ばれたのは本学の歴史に残る慶事だと思います。2000年頃に世界第4位だった日本の研究力が現在では韓国やイランにも抜かれ第13位に低迷しているのはご存知のとおりです。「国際卓越研究大学」事業は我が国の研究力V字回復を狙った国家の大プロジェクトです。採択された大学は、25年にわたって国から多額の支援を受けることで、世界トップレベルの研究大学となることが期待されています。冨永悌二総長(艮陵S57卒)のリーダーシップのもとで、医学部・医学系研究科では世界と戦える研究力を備えるべく、有名研究者のリクルートや優秀な若手医師が研究に専念できる環境を整えるなど、様々な取り組みを開始したところです。同様に、学部生や大学院生が将来、研究者として活躍できるような教育カリキュラムと研究組織・環境を整えるために、大学院の組織改革にも着手したところです。研究力向上によって魅力ある東北大学医学部・医学系研究科を作り上げ、本学卒業後も母校で活躍する同窓生を増やすことで同窓会の発展に貢献したいと考えています。同窓会員の皆さまにおかれましては、東北大学医学部・医学系研究科そして艮陵同窓会の発展のためにご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。
令和7年6月